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ほめることの危険性

今日は、ほめることの危険性についてです。

 

 

「ほめて育てよう」とは、よく聞く言葉ですね。

 

「今日はいい子だったね。」

「ピアノが上手くなってきたね。」

「計算がよくできるようになったね。」

 

親が子どもにほめ言葉を使う時、子どもを親の望む方向へと変えよう、というのが主な

目的であることが多いとゴードン博士は言っています。

 

もっとよくやるように意欲を持たせたい。

この調子でいい成績を続けさせたい。

こんな気持ちは、多くの親が思うところではないでしょうか。

 

そんなときのほめ言葉には、はっきりとは口には出さないのですが、親の目的が隠され

ているということです。

 

例えば、「今日はいつもよりも丁寧に部屋を片付けたね。」とほめたとします。

しかし、親の本音が

「ほとんどの時は、いいかげんに片付けていて、それが気に入らない。もっときちんと

    片づけてほしい。」

だとすると、それが子どもに、ちゃんと伝わってしまうのです。

 

子「いつもより丁寧って、どう意味?いつもと同じじゃない。」

親「いつも丁寧っていうわけじゃないでしょ。」

子「じゃあ、いつだめだったの?!」

 

こんなふうに子どもは、親の自分への批判や自分を変えたいと思っていることを感じて

しまいます。そうすると、子どもは親に反発をしたり、無視をするようになってしまう

のです。親の正直な、肯定的なメッセージも、素直に受け止めることができなくなって

しまうこともあります。

 

 

思春期の多感な時に、同じような例を見聞きしたことはありませんか?

 

 

もう一つの危険性は、ほめ言葉が子ども自身の自己評価と一致しない場合にあります。

 

親「発表、上手にできたね。すごいじゃない!」

子「そんなにすごくないよ。Aちゃんの方が、もっとすごいもん。」

 「お母さんがそう思うだけだよ。」

 「自分は、ダメだって思ってるのに、いい気持ちにさせようと思って、そう言ってる

       だけだよ!」

 

このように、子どもはイヤな気持ちでいるのに、ほめ言葉をかけられると、親は本当は

理解していないと感じ、それ以上は話したくなくなってしまうのです。ほめ言葉がこの

場合、親子のコミュニケーションを妨げてしまうのです。

 

また、子どもが悩みを打ち明けたときにほめても、同じようにもう話す気が無くなって

しまいます。本当に抱えている問題が見えなくなってしまうこともあります。

 

 

ほかの危険性としては、競争意識をあおってしまうということです。

 

兄弟の誰かかがほめられたとします。

でも、自分はほめられなかった。

そんなとき、どんなきもちになるでしょうか?

 

やきもち、反発、怒りを感じることだってあるかもしれません。ほめられないと、自分

が拒否されたと同じように感じることがあるのです。

「ぼくより、弟の方が好きなんだ!」

と、兄弟の間で競争が激しくなってしまうのです。

 

危険性はまだあります。

ほめて育ててばかりいると、自分で決めて行動する力が育ちにくいのです。

 

親のほめ言葉に強く依存して育つと、重要な人生の決定のときに、自分の意志で決定で

きないことがあります。一生の仕事を選ぶのに、親の望みにしたがって決めてしまい、

後で後悔することになりかねないのです。

 

多くの親は、子どもの自立を望んでいると思います。しかし、子どもをほめるというこ

とは、親に認められなくてはならないという気持ちを強化することになりかねないので

す。すると子どもは、自分で考える力を伸ばせなくなってしまうのです。

 

 

では、ほめ言葉を使わずに、お伝えしたような危険性を冒さないで、どんな言葉で対応

したらいいのでしょうか。

 

 

続きは明日です。

 

 

本間 恵