対立を解く方法

では、今日は対立を解く方法です。

 

 

「勝負なし法」では、6つの段階を踏んで対立の解決をはかりますが、これを始める前

に大切なことがあります。この「勝負なし法」で対立を解決することに、親と子がお互

いに合意することです。

 

ですから、「勝負なし法」について子どもに説明をして、子どもが納得してから、

次の6段階を踏んでいきます。

 

第1段階 問題を明確にする。

第2段階 考える解決策を一緒に出す。

第3段階 解決策を評価する

第4段階 双方が納得のいく解決策を決定する

第5段階 解決策を実行する

第6段階 結果を評価する

 

この方法で、親子の間に起こる様々な問題を、親子ともに満足する形で解決していくの

です。

 

 

事例をご紹介します。

 

「スーパーでいつも何か買ってとせがまれて困っている」お母さんです。

 

第1段階 問題を明確にする

・親の欲求…お店に連れていくと、いつも何か1個買ってとしつこくせがむので、

      買ってあげることが多い。買うことが習慣になってしまうのではないか と心配。

・この欲求…買い物(スーパー)についてきたので、なにか買ってほしい。

 

第2段階 考える解決策を出す

イ 今日だけ買う。あとはお誕生日にも七五三にも買わない

ロ 買う日を週1回、土曜日とする

ハ 買い物についてこない

二 100円前後のものにする。高くても300円以内(あとはお祝いの時に)

 

第3段階 解決策を評価する

イは、後日また買いたくなる

ロは、よい

ハは、時々お留守番をして待っている日も作る

二は、よい

 

第4段階 双方が納得いく解決策を決定するロと二に決める。

(週1回ぐらいお留守番をして待っている日も作り、実行してみようと思っている。

 

第5段階 解決策を実行に移す

 違うスーパーにも行くと言っていたので、そこでは買わずに待っていて、もう1軒の

 お店で好きなおもちゃを一個買った。

 

第6段階 結果を評価する

 子どもも自分で土曜日(今日)と決めたことに喜び満足していた。

 私も「今日はどうしようかな」という迷いがなくなり、すっきりした。

 

 

この事例のお母さんは、次のような感想を書かれています。

 

よく起こる事だったのですが、偶然お店の中で短い時間に「勝負なし法」を使うことが

できて、自分でも驚きました。

子どもも一緒に決めたということがうれしかったようです。

お店から帰る途中、

 

「今度、テレビのちびまる子ちゃんをやっているときに買い物に行ってきていいよ。

 私はお留守番しているからね。」

と言っていました。

 

こんなふうに、親も子も満足する形で、対立を解決できるようにするのが、「勝負なし

法」なのです。

 

 

ここで大切なのは、「わたしメッセージ」と「能動的な聞き方」です。

親は「わたしメッセージ」で自己表現し、子どもの気持ちを「能動的な聞き方」で聞い

て、十分に親子のホンネを出し合うのです。

 

親子で話し合えた楽しさ。自分の意見が取り入れられたうれしさ。

一方的にああしろ、こうしろと言われて動くのではない心地よさ。

そんなものが、子どもの中の自立性・自発性を伸ばしていくのではないでしょうか。

 

 

明日は、「勝負なし法」で気をつけることについてお伝えします。

 

 

 

本間 恵