子どもを見守るために ~「聞く」ことの大切さ~

子どもを見守るというのは、親にとって簡単なようでいて、難しいことです。

 

 

わが家の息子と娘はそれぞれ大学受験と、高校受験の真っ只中です。

性格の違いがそのまま受験期の様子につながり、なかなか興味深いです。

 

受験の結果が出始めていますが、その結果を親も一喜一憂しがちです。

たくさん言いたいことが浮かんできます。

でも、親も一緒になって揺れ動いていては、子どもも不安定になってしまいます。

 

 

こんな時親業では、自分の心を整理することから始めます。

 

 

例えば、息子が「不合格だった。」と言ったとき、だれが一番苦しいのか、不安なのか

というようにとらえます。

 

この場合、私は、息子が一番苦しいだろうと整理をしました。

そのときにとる対応は、前にご紹介した「聞く」ということです。

 

子「不合格だった。」

私「そう…。がっかりだった?」

子「うん。」

私「そうか…。」

 

聞いて、気持ちを受け止めます。そのまま、息子は自分の部屋に行ってしまいました。

後は、本人が自分で心の整理をするのを、見守って待ちます。

 

落ち込む時間も、一人の人間として成長するのに必要なのです。

 

しばらくして、夕食の用意をしていると息子が台所に来て言いました。

 

子「しばらく友達と話していないと、さみしいな。」

私「そう。会う時があんまりないと、さみしいんだね。」

子「うん。授業も今はバラバラだしね。」

私「授業で会うこともないんだ。だれとも話せないとつまんないんだね。」

子「うん。そうなんだよね。」

私「友達と話せると、気が楽なんだ。」

子「まあね。」

 

と、気持ちを受け止めていきます。

何度かキャッチボールをしていると、また離れていきます。

 

しばらくすると近くに来て、他の話題を話しかけてきます。

そして自分の興味のあることをいくつか話して、自分の部屋に戻っていきます。

 

私は、息子の心の中に溜まったものを外に出す手助けをしているのです。

溜めておくと、本人もよくわからないものになってしまい、解決するのによけいに時間

がかかってしまいます。

 

受験と戦っている子どもに、親ができることは数少ないです。

でも、少ないからこそ、質を高めていきたいのです。

 

短い時間のちょっとした会話で、子どもの心が軽くなり、ホッと安心することができた

ら、私もうれしいです。

 

 

いくつになっても、親は我が子がかわいいのです。

かわいい我が子を支えるためになにができるのか。

 

 

支えるためにも、「聞く」ということの大切さを実感しています。

 

「聞く」ことで子どもをそのまま理解し、受け入れようと努力していると、子どもに親

の愛情が伝わるようです。

 

 

十分聞いた後に、私が言いたいことがあれば、「わたしメッセージ」で伝えます。

「受験に立ち向かっている、あなたを尊敬するよ。」

「受かることを祈っているよ。」

 

大学受験は、3月まで続きます。

集中力が続くかどうかがカギです。

 

 

親としてできること。

私のできることを、やっていきたいです。

 

大切な息子と娘のために。

 

 

 

本間 恵