先生方のホンネ

先生方のホンネ

 

 

4年生の先生方。

若手4名ベテラン学年主任1名の5クラス。

 

若手の先生方は熱意があって仲が良く、ベテランの先生が上手くまとめている学年だ。

 

5クラス中、3年からの持ち上がりは学年主任を含めて、2クラスだけ。

 

担任が変わったクラスは、結構大変な子が多いクラスで、若い先生なのによくまとめて

きたなと思う。

 

 

教員2年目の先生の話。

 

仕事をする時間がもっと欲しいということ。

 

子ども達はかわいいし、できるだけのことをしてきている。

でも、エネルギーにあふれている子たちなので、1日5〜6時間授業をしてその子たちと

相対していると、自分のエネルギーを吸い取られてしまう。

6時間教えて、その後部活指導をして、会議がある日もある。

その後やっと自分の仕事ができる。

 

疲れてしまっているし、自分の仕事ができる時間は少ない。

 

今、教育現場も勤務時間外労働を制限するようになっていて、8時には鍵を閉めると言

われ、ノー残業デーの水曜日は6時に帰るようにと追いやられてしまう。

そうすると、家でやるしかないのだが、教材を作りたくても材料が無かったり、資料が

なかったりと結局仕事がはかどらない。

 

パソコン作業をしたくても、データの持ち出しができないものが多い。

 

朝は朝で、部活の朝練。

 

いつやるの?という感じだ。

結局、土日に学校に行ったり、家で仕事をするのは当たり前だ。

 

管理職としては、いつまでもダラダラやってないで、仕事を効率よくこなせるようにな

りなさいと言いたいのだろうが…。

 

ほかにも、個人情報の流出を防ぐために、担任が自分のカメラで子どもたちの活動を写

真に撮ってはいけないのだそうだ。

学年だよりやHPに載せる写真は、学校の専用のデジカメでしか撮れない。

 

そんな数台しかないカメラでは32クラスは回せない。

撮りたいときに撮れないのだ。

 

 

話を聞いていると、私が若かったころと比べて、制限が多いことを感じた。

 

先生方は、もっと自由が欲しいように感じる。

 

若手の先生が、「もっと休みの日に学校の仕事以外のことをしたい」と言っていた。

「そこで視野を広げて、子ども達のために自分を成長させていきたい」と。

 

 

胸にぐっときた。

自分を成長させたいという思いが伝わってきた。

 

 

そうかあ。

若い今のうちに、いろんなことを吸収したいんだね。

学校という狭い世界しか知らない自分より、もっといろんなことを知りたいんだね。

 

 

応援したい。

成長した姿を見てみたい。

心からそう思う。

 

 

ベテラン学年主任の先生の言葉も重かった。

 

「自分の弱音や悩みを話せる人がいない」

 

学年は若手だけ。

弱音は言いにくいのだろう。

 

学校の中も、3分の2は若手。

自分のホンネを言える同僚は、次々に退職していく。

 

 

この言葉は、重かった。

 

 

ベテランだからこそ、求められることが多く、悩みもまた違ったものとなる。

 

心を割って話せる相手がいないということは、どんなに苦しいことだろうか。

孤独を感じることもあると言っていた。

 

それでも、学年を引っ張っていかなくてはならない。

 

学年主任の先生の、責任感の強さゆえの苦しみを感じ、私の胸も痛んだ。

思い出しても、苦しくなる。

 

 

それぞれの苦しみを抱えながら、それでも子どもたちのために、エネルギーを注いでい

る姿に涙が出る。

 

 

それに、みんな明るい。

笑顔やユーモアを持ち続けている。

周りへの気遣いも忘れない。

 

 

学年主任の先生が「みんな優しいんだよ」と言っていた。

 

 

私もとても居心地がよかった学年だ。

先生方の幸せを願わずにはいられない。

 

 

先生方のために何ができるだろうか。

自分に問いてみる。

 

 

なにがしたいのか。

 

 

 

本間 恵