しつけ ~賞罰~
今日は、しつけについての続きです。
しつけというと、方法としていろいろあると思いますが、その中の一つに、賞罰というものがあります。
賞は、親の望む行動をしたときに、ごほうびをあげたり、ほめたりするものです。
罰は、親の望まない行動をしたときに、子どもが恐れるものを与えるものです。また、
親の望まない行動をしないように、「~したら~だからね。」と罰を与えること
を言っておいたりもします。
賞罰は、どちらも親の意のままに子どもを操っていこうとする意図があります。この賞
罰について、ゴードン博士は多くの危険性を説いています。
この危険性について、お伝えしていきます。
賞罰によって、子どもをしつけようとするには、親の権力が必要になります。
力でいうことをきかせるということです。
こういう権力を使う親は、子どもを思うままに動かすために、あの手この手で工夫をす
る必要に迫られます。年齢に応じて、いろいろな賞罰を用意しておかなくてはならない
のです。
そして、子どもが大きくなってくると、だんだん強い権力が必要になってきます。親は
強い権力を持とうと、賞罰をどんどん大きくしていきます。しかし、いつかは親の与え
る賞に魅力を感じなくなり、罰が怖いものではなくなる時が来ます。
もう、親に子どもをコントロールする力はなくなってしまうのです。
罰について、ゴードン博士は、自分より力のある人が何かを自分に押し付けてきたとき
に、人間のとる反応はだいたい次の12に分類できると書いています。
1-反抗
2-うらみ、敵意
3-報復、反撃
4-ウソをつく
5-告げ口
6-弱いものいじめ
7-負けず嫌い
8-対抗戦線を張る
9-従順
10-ご機嫌取り
11-同調、創造性の欠如、新しいことへの挑戦を怖れる
12-想像の世界に逃げる
力で子どもに迫ることは、こんなふうな反応を子どもに呼びおこすことになるのです。
人間関係や、子どもの人格形成に悪影響があるのです。
いうことを聞く素直な子と喜んでいても、実は子どもの心に育つのは、従順か反抗とな
る危険性があります。自分で考える力は育って行かないのです。
明日は、賞の危険性についてお伝えします。
本間 恵