勝負なし法でも解決できない対立

今日は、勝負なし法でも解決できない対立についてです。

 

 

対立がすべて、「勝負なし法」で解決できるわけではありません。

 

 

例えば、クラシック音楽が好きな親と、アイドルが好きな子どもがいるとします。話し

合って、Jポップスが一番良いことにしようというわけにはいきませんよね。

 

「勝負なし法」で解決しやすいのは、子どもの行動が、親に具体的な影響を与えている

場合と、そのことを子どもが認めているときです。

 

自分がアイドルが好きなことを、親にとやかく言われたからと言って、好みがすぐに変

わるわけではありません。

 

それどころか、アイドルのことをわかっていない親が何を言ってるんだと、反発するこ

とになってしまうのではないでしょうか。

 

こんなふうに、親には直接影響がない子どもの行動で、親にとっては受け入れられない

と感じるものは、親子の間に、価値観の対立が起こっているととらえます。

 

髪型、服装、言葉遣い、音楽の好み、時間の使い方など、親が子どものために良くない

と思っても、子どもは別に悪いと思っていないことがよくあります。

 

 

「勝負なし法」で解決しようと思っても、結局は「別に親には関係ないじゃん」と、

話し合いにのってこないことが多いのです。

 

 

価値観の対立で、力を使って無理やり解決しようとすると、親子関係に、重大な影響を

及ぼすことになるとゴードン博士は言っています。

 

 

では、どんな方法があるのでしょうか。

親業では、価値観の対立のときの対応が、4つ紹介されています。

 

1つ目は、模範を示すことです。

 

親が価値があると考えることについて、生きる姿勢を親自身が示すのです。親の後ろ姿

を見て子どもは育つと言いますが、まさに子どもにひとつの見本を親が見せていくので

す。

 

タバコを吸うなと子どもに言うとしたら、タバコを吸う親と、吸わない親が言うので

は、どちらの方が子どもは納得するでしょうか。

 

2つ目は、コンサルタントになるということです。

 

模範を示すだけでなく、どれだけそれを大事に思っているかということを、子どもに話

すのです。必要ならば、情報など資料をそろえて伝えます。

 

大切なのは、押し付けないことです。伝えきったら、やるかやらないかは子どもに任せ

ます。子どもの気持ちが、自分から動いたときに初めて、価値観は変わっていくのでは

ないでしょうか。

 

 

明日は、残る二つの方法についてです。

 

 

 

本間 恵