不登校の子のお父さん・お母さんに伝えたいこと ~自分をより深く知る時間を持つ~

不登校の子のお父さん・お母さんに伝えたいこと」~その3~です。

 

 

お父さんお母さんに、ご自分の時間をもっていただきたいと思います。

 

 

自分の時間を持つ。

当たり前のことのようですが、お父さんお母さんにとって、そんな時間を捻出することは、なかなか難しいのではないでしょうか。

 

 

自分の時間を持つことで、自分を見つめる時間が持てるといいですね。

哲学的なことを考えてくださいというわけではないですよ。

 

 

自分はどんな人間になりたいのか。

自分は何を大切に思って生きているのか。

どんな生き方をしたいのか…。

そんなことを考えて行きたいのです。

 

 

自分の軸があると、何かあったときにぶれにくいのです。

迷ったりしても、またもとの道に戻ることができます。

 

そして、一人の人間として、失敗したり迷ったりしながらも、懸命に生きている姿を子

どもに見せていきませんか?

 

 

無理にかっこつける必要はないですよ。

親が正直に見せていくのです。

その親の生きる姿勢が、子どもへの模範となります。

 

 

自分を、より深く知る時間を持ってみませんか?

不登校の子のお父さん・お母さんに伝えたいこと ~気持ちをためずに~

不登校の子のお父さん・お母さんに伝えたいこと」~その2~です。

 

2つ目は、お父さんお母さんの気持ちを、ためずに出していくことです。

 

我が子が不登校になってしまうと、

「私の接し方が悪かったのだろうか」

と自分を責めてしまうことも、多いのではないでしょうか。

「これから、どうしていけばいいのだろう」

 

そんな複雑な気持ちを抱えて、悶々とする日々だと思います。

重く、苦しいですよね。

 

そんな不安や悩みを、正直に話せる相手はいますか?
人は、重い胸の内を話して出してしまうと、心が軽くなります。

 

お父さんお母さんの心が、不安で一杯いっぱいですと、子どもの不安を受け止める余裕

がなくなってしまいがちです。子どものためにも、ご自身のためにも、お父さんお母さ

んの心を少しでも、楽にしていきたいのです。

 

 

思いを話すときに、

「ここまでだしていいのだろうか…」と躊躇してしまうかもしれません。

なかなか、言えないこともありますよね。

 

無理に話してくださいというのではないですよ。自分のペースでいいのです。

心の内を安心して話せる相手がいると、お父さんお母さんの心が楽になるのではないで

しょうか。。

 

皆さんには、話せる相手というと、どんな方がいますか?

夫婦、両親、兄弟、友人、先生…。

スクールカウンセラーや、専門の相談機関の方。

親の会に参加していらっしゃる方もいるかもしれません。

 

今、話せる場所や相手がいないという方、どうぞ一歩を踏み出して、話してみてくださ

い。皆さんが、話しやすくて安心できる相手と出会えることを願っています。

 

 

本間恵

不登校の子のお父さん・お母さんに伝えたいこと ~「受動的な聞き方」と「能動的な聞き方」~

今日は、悩んでいる子の話をどんなふうに聞いたらいいのかということについてです。

 

 

親業には、「受動的な聞き方」と「能動的な聞き方」の二つがあるとお伝えしました。

 

 

「受動的な聞き方」には、

・沈黙

・あいづち

・促し(心の扉を開く聞き方)

があります。

 

 

沈黙は、黙って最後まで聞くことです。

あいづちは、意見を言わずに「そうなの」「それで?」「うん」「そう」などの言葉で

す。

促しは、「話してみて」「聞いてほしいことがあるの?」「どう思ったの?」などで

す。

 

 

沈黙とあいづちは、相手が話やすくなる雰囲気を作ります。

促しは、話しの最初の段階で、相手に話をすすめる役目をします。

 

 

この受動的な聞き方だけでも相手が話やすくなる効果はありますが、

限界があります。

 

 

この限界のないのが「能動的な聞き方」です。

受動的な聞き方が、受け身のものであるのに対し、能動的な聞き方は、もっと積極的に

相手に働きかけ、話をしやすくしていきます。

 

 

「能動的な聞き方」

・くり返す

・言いかえる

・気持ちをくむ

の三つです。

 

 

例えば、子どもが「成績が下がっちゃった」と言ったとします。

 

 

くり返すですと、「成績が下がっちゃったんだね」

と、子どもの言った言葉を返していきます。

 

 

言いかえるは、「思ったような成績がとれなかったんだね」

と、親が違う言葉に言いかえて返していきます。

 

 

気持ちをくむは、「成績が下がって、ガッカリしてるんだね」

と子どもの気持ちを理解して、返していきます。

 

 

どれも大切なのは、共感するということです。

相手の立場に身を置き、相手の気持ちを想像し、味わいます。

そして、「あなたは、こう感じているのね」と確認をとっていく聞き方です。

 

 

能動的な聞き方の効果として、子どもが問題と向き合い、自分で解決していけるように

なるということです。

また、子どもにとって、自分を理解しようとしてくれているということが、安心感を生

み、親を信頼するようになります。

より親密で、温かい関係が作れるのです。

 

 

不登校の子たちは、学校に行かなくちゃとは思っている子がほとんどです。

でも、行くことができないのです。

なので、自分を責めたり、自己肯定感が低くなってしまう場合があります。

 

 

そんなときに、ありのままの気持ちを聞いてくれたら、どんなにホッとするでしょう

か。そして、聞いてもらって落ち着いてくると、今度は自分で考え始めるのです。

 

 

そんな手助けを、親は聞くことでできるのです。

 

 

 

本間 恵

不登校の子のお父さん・お母さんに伝えたいこと ~コミュニケーションを阻むお決まりの12の型~

子どもが不登校になっている、もしくは不登校ぎみになっていると、

「どうしてだろうか」「何かできないか」「このままでいいのだろうか」

と、様々な思いが沸き起こってくると思います。

 

 

そんなとき、お子さんにどんな言葉をかけていますか?

 

 

例えば、

「どうして、教室に入れないの?」

「先生に何か言われたの?」

「友達と何かあったの?」

「このままだと、勉強が遅れてしまうよ」

「お母さんが一緒に行って、先生に話そうか」

「あなたなら、一度行けば、またもとのようになるよ」

こんな言葉を言いたくなりませんか?

 

 

多くの親は、子どものためを思って、質問したり、提案したりするのではないでしょう

か。

 

 

しかし、子どもが悩んでいる場合に、先ほどのような言葉をかけると、

子どもは心を閉ざしてしまいかねないのです。

 

 

ゴードン博士は、これらの言い方を、「コミュニケーションを阻むお決まりの12の

型」と名付けています。

 

 

この12の型で言われた子どもは、

「どうせ自分はだめな人間なんだ」

「この親には、自分の気持ちを言っても、分かってもらえない」

というように、自己否定をしたり、親に不信感をもったりする危険性があると言ってい

るのです。

 

 

せっかくの親の愛情が子どもに届かないなんて、本当にもったいないと思います。

 

 

では、どんな言葉をかけたらいいのでしょうか。

子どもが困っているときには、子どもが自分で考えていけるように手助けをする聞き方

があります。

 

 

それが、「受動的な聞き方」と「能動的な聞き方」というものです。

 

 

明日は、二つの聞き方について、お伝えします。

不登校の子のお父さん・お母さんに伝えたいこと

今日は、「不登校の子のお父さん・お母さんに伝えたいこと」です。

 

 

我が子が不登校になっているお父さん・お母さん、どんなに苦しく、不安を感じていることでしょう。

 

 

親として、子どもに何をしてあげればいいのだろうと、深く悩んでいらっしゃるのではないでしょうか。

 

 

私も、担任をしていたころ、不登校になってしまった子がいました。

とても悩みました。その時にできることを、いろいろと考えてやってみました。

でも、その子は、不登校のままでした。

 

 

しばらくして、市が運営している、フリースクールのような場所があって、そこに少し

ずつ行けるようになりました。でも、そこも合わなくなり、小学校の間はずっと登校で

きませんでした。

 

 

今でもあの時のことを振り返ると、もっとできることがあったのではないか、あの対応

とは違う対応の方がよかったのではないかと、悶々と考えてしまいます。

その時は、それが精一杯だったんですけどね。

 

 

世界に同じ人間がいないように、不登校になる原因は、一人ひとり違います。

原因を考えるのも、できることの一つだと思います。

 

 

できることは様々ですが、その中でも私は、不登校の子のお父さん・お母さんが、我が

子にどんな風に接したらいいのか。

お父さん・お母さんが、ご自身の気持ちをどう整理していくのかということを、お伝え

します。

 

 

お伝えした方法を試してみることで、お子さんとご両親の心が少しでも楽になっていた

だけたらと願っています。

 

 

では、方法については、次回にお伝えしますね。

 

 

 

本間 恵

 

 

 

コンサルタントになる

今日は、センター試験直前の息子のことです。

 

 

前にも書きましたが、息子は秋に1カ月半、病気のためにほとんど勉強をしていませんでした。

 

 

センターが近づいてきて、

「あの時の時間が、大きな穴になっている。」

と言ってきました。

「何かに追いかけられる、怖い夢を見た。」

とも言っていました。

 

 

心の内を話してくれる息子に私ができることは、ただ、彼をそのまま受け入れることで

す。

 

 

「うん。そうか。そうなんだ。」

「不安が押し寄せてくるんだね。」

「こわくなってくるんだ。」

と、共感しながら、真剣に聞いていきます。

そうすると、落ち着いてくるのか、しばらくして自分の部屋に戻っていきます。

 

 

親として、見守る以外にもできることはあります。

以前にも書きましたが、どうしても言いたいことがあれば、1度きりの覚悟で伝えるこ

とができるのです。

それが、コンサルタントになるということです。

 

 

私も先日、1つコンサルタントをしてみました。

体調管理についてです。

 

 

息子は、授業のない日は、一日中家にいるので体を動かしません。

そうすると、夜なかなか寝付けずに苦しみます。

そして、朝遅くまで寝てしまい、夜また眠れない…。

そんな悪循環を断ち切るために、心配なことをわたしメッセージで伝え、できる方法を

根拠を添えて伝えました。

 

 

「寝不足で試験を受けることになったら、今まで積み重ねてきたことが十分に発揮でき

ないかもしれない。そうなったら、本当にもったいないんだ。」

「体調管理は、いいパフォーマンスをするうえで、とっても重要だよ。」

「そうならないためにも、いい睡眠をとってほしいんだ。」

 

 

いい睡眠をとるために、今までも言ってきたことを含めて、伝えました。

・夕方体を動かす。

・外に出て、散歩でもしてリラックスをする。

・寝る直前まで勉強せずに、勉強を終えてからお風呂で温まってから寝る。

・寝る前にストレッチをしながら、深呼吸をする。

 

 

そして、息子の言い分を聞いて、後は任せました。

すると、寝る前のストレッチはするようになりました。

それを見て、うれしいこと、安心することをわたしメッセージで伝えました。

息子は今のところ、少しではありますが、毎晩ストレッチをしています。

 

 

息子の不安は、息子のものです。

私が不安を引き受けようと思っても、息子にはなれないので、引き受けることはできま

せん。親としては、愛する息子の苦労は、一緒にしょっていきたいぐらいなのですけど

ね。もどかしいところです。

 

 

私のできることは、どんな息子でも受け入れて、見守っていくことです。

これがなかなか難しい。

親というのは、子どもの問題を自分の問題にしやすいからです。

 

 

「子どもは、自分とは違う、別個の人間なんだ」

これは、いつも心の中に持ち続けています。

 

 

この経験を、きっと息子は後の人生に生かしていけると信じています。

 

 

「がんばれ、私の愛する息子と娘。

私は、どんな時もあなた達を愛し、応援しているよ。」

 

 

本間 恵

話し合い方 ~勝負なし法~

「勝負なし法は」、これまでにご紹介してきた「わたしメッセージ」と「聞く」方法を

使いながら、6段階のステップをふんで話し合っていくものです。

 

 

①    親の思い(したいこと、願い)をわたしメッセージで伝えます。

そして、子どもの思い(したいこと、願い)を、丁寧に聞いていきます。

 

 

②    両方の思いをかなえていくための方法を、出し合います。

「それを解決させるために、どうしたらいいかな?」

「できることはないかな?」

と、子どもからもアイデアが出るように促します。この時に大切なのは、「なんでもあ

り」で思いつくアイデアをできるだけたくさん出すことです。

 

出てきたアイデアに、「これはいいね」「それはだめだよ」などと、評価はしないよう

にします。自由に自分の考えが出せるので、子どもが考え始めます。

 

 

③    アイデアがすべて出つくしたら、一つひとつについて、自分が賛成できるか、子ど

もが賛成できるかお互いに、○×をつけていきます。

 

 

④    お互いが丸をつけた案に決定します。お互いが同意をしない案は、採用しません。

 

 

⑤    解決策を実行に移します。

いつ、だれが、何を、どのようにするかを、その場で決めて、実行に移します。

 

 

⑥    実際にやってみて、上手くいったどうかを話し合います。

改善すべき点はないか、ある場合にはそれをどうするか相談します。場合によっては、

第1段階に戻って話し合ったりします。

 

 

〈勝負なし法の効果〉

 

このように、考えられる解決策を親子で出し合うことで、たくさんのアイデアが生まれます。

 

また、子どもも話し合いに参加したうえで決めるため、「無理にやらされている」と感

じることがなく、自分から行動するようになります。親が、怒ってやらせる必要がなく

なるのです。

 

 

わが家は、息子が中学受験を決めるときに、この方法で話し合いました。

そして、どこの塾に行くかも話し合って決めました。

娘は、話し合った結果、中学受験はしないことに決めました。

 

 

どちらにしても、「自分で決めた」ということが、後々のヤル気につながるのです。

時には、迷ったりするときだってあります。

そんな時には、聞いて受け止めていけばいいのです。

ちゃんと自分でどうしたらいいのかを考えますよ。

時間がかかることもあるかもしれませんが。

 

 

でも、この方法で接していると、子どもは行動を自分で考えていくようになってくるの

です。

 

 

皆さんは、わが子がどんな人間になってほしいと思いますか?

受験をするなら、その時間を、人間として成長するチャンスにしてみませんか?

 

 

本間 恵