受験を迎えるお子様をもつお母さんに伝えたいこと ~「あなたメッセージ」から「わたしメッセージ」に~
その2では、「伝える」ことを書きました。
親の価値観を見つめなおし、それを1度きりの覚悟で伝えるというものでした。
「伝える」は他にも、いろいろな場面で使えます。
今日は、1度きりだけではなくて、日ごろから使える伝え方をご紹介しますね。
親だって人間ですから、言いたいことは山ほどあると思います。
例えば、朝何度も起こしているのに、なかなか起きない。
やっと起きたかと思えば、今日提出の手紙を出してくる。
「あれがない。これがない。どこにあったっけ?」などと言ってくる。
等など、朝からイライラさせられることって、ありませんか?
朝だけではないですけどね。
そんなとき、親が言いがちな言葉って、どんなでしょうか?
例えば…
親「もう、何度言ったらわかるの!いいかげんに起きなさい!」
子「起きてるよ!」
親「それは、起きてるとはいわないでしょ。目を開けているでしょ!」
「全く、いつもいつもそうなんだから。」
子「うるさいな!」
親「なに、その言い方!もう、絶対起こしてあげないからね!」
まあ、ここまでではないにしても、朝はバトルが繰り広げられるお家が多いのではないでしょうか。
これらの親の言いがちな言葉には、共通点があります。
それは、主語が「あなた」になっているのです。
「あなた、何度言ったらわかるの!」
「あなた、いいかげんに起きなさい!」
「あなた、いつもそうなんだから。」
ゴードン博士は、これらの言い方を、あなたメッセージと呼んでいます。
あなたメッセージで言われたら、子どもはどんな気持ちになるでしょうか?
親の言うことを、素直に聞こうという気持ちになるでしょうか?
なかなか難しそうですね。
それに、あなたメッセージですと、親の本当の気持ちが伝わりにくいのです。
先ほどの会話の例だと、親の本当に言いたいことは何だと思いますか?
「朝食やお弁当を作っているときに、何度も起こしに行くのは、時間が無くなって困
る。」でしょうか?
「せっかく起こしているのに、なかなか起きなくて、がっかりする。」
「ちゃんと自分で起きられるようになってほしいのに。」かもしれません。
では、この親の本当の思いを、どうやって伝えたらいいのでしょうか?
この場合、困っているのは親である私が困っているので、主語をわたしに替えて伝える
のです。
「あなたメッセージ」から、「わたしメッセージ」に変えるのです。
「朝、あなたを三回も起こしに行くとね、ご飯やお弁当を作るのが遅くなっちゃって、
お母さん、慌てちゃって困るんだよ。」
「朝忙しい中にあなたを起こしに三回も部屋にいってるのに、横になっているのを見る
と、本当にがっかりしちゃうんだよ。」
いかがでしょうか。
先ほどのあなたメッセージと比べて、どちらの方が親の思いが伝わりやすいですか?
わたしメッセージの方が、伝わりやすいのではないでしょうか。
「そうはいっても、なかなかこんなふうには言えないわ~。」
という方もいらっしゃると思います。
明日は、わたしメッセージで伝えるコツをご紹介しますね。
今日はここまでにして、続きは明日にします。
本間 恵